更年期とは

更年期とは

日本人の閉経年齢は平均51歳。そして、閉経前後の約10年間を「更年期」と呼んでいます。女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が急に減少する更年期は、心身にさまざまな症状が現れることがあります。これが「更年期症状」です。

女性ホルモンの減少で起こりやすい心身の変化や症状

  • 頭痛、めまい、耳鳴り、イライラ、物忘れ、集中力低下、落ち込み、不眠、不安感、疲労感
  • のぼせ、ほてり、発汗、口の乾き、喉のつかえ、肩こり
  • 食欲不振、吐き気
  • しびれ、知覚過敏、関節痛、筋肉痛
  • 動悸、息切れ
  • 腹痛
  • 皮膚や粘膜のかゆみ、乾燥
  • 便秘、下痢
  • 腟炎、性交障害、排尿障害

女性ホルモンの不足で更年期以降にリスクが高まる病気

  • 骨粗しょう症
  • 脂質異常症
  • 動脈硬化
  • 心筋梗塞
  • 脳卒中
  • 認知症 など

ホルモン補充療法(HRT)

減少した女性ホルモン(エストロゲン)を補う治療法のことをホルモン補充療法 (HRT:Hormone Replacement Therapy)と言います。

HRTは、乳がんと子宮体がんの検診をしてその時点で心配がないことを確認してから始めます。

ホルモン補充療法(HRT)のお薬

飲み薬、貼り薬、塗り薬の3種類があります。

  1. 飲み薬
    • 錠剤を毎日服用するので、服用日数の確認が簡単です。
    • 腸から吸収され、肝臓を通って血液中に入ります。
  2. 貼り薬
    • シール状のお薬を下腹部か腰部に2日に1回、あるいは週に2回貼り換えます。
    • 成分が皮膚から血液中に直接吸収されます。
    • 胃腸や肝臓への影響が少ないとされています。
  3. 塗り薬
    • ジェル状のお薬を大腿部か下腹部に毎日塗ります。
    • 成分が皮膚から血液中に直接吸収されます。
    • 胃腸や肝臓への影響が少ないとされています。

ホルモン補充療法(HRT)の副作用

HRT(ホルモン補充療法)を始めてしばらくは、不正出血や乳房が張るなどの副作用がありますが、一般的にはからだが慣れるにしたがって1~2ヶ月ほどで治まっていきます。気になるときは医師に相談してください。

代表的な副作用

  • 不正出血
  • 乳房の張りや痛み
  • おりもの
  • 下腹部の張り
  • 吐き気、嘔吐 など

また乳がんや子宮体がんのリスクを心配される方がいますが、むしろ、子宮体がんのリスクは黄体ホルモンを一緒に服用することでHRTをしていない人よりも減ります。

乳がんも、治療期間が5年以内であればまず問題ないとされています。

(※2002年アメリカ国立衛生研究所調査)